日本臨床外科医学会雑誌
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血清コリンエステラーゼ活性異常児の1手術例
中村 博志渡邊 聖平野 敬八郎吉雄 敏文山口 宗之内田 寿美子前田 倫子木下 勉菊池 博達
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1992 年 53 巻 2 号 p. 470-475

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抄録
本邦における血清コリンエステラーゼ活性(ChE)異常の報告はまれである.本邦では過去20年間に30数例の報告があるが,このうち小児例は3例と少ない.今回われわれは右外鼡径ヘルニア根治術後に長時間にわたる遷延性無呼吸発作を来たした, ChEの著しく低い症例を経験したので報告する.
症例は1歳の女児.既往歴,家族歴,入院時一般検査に異常を認めなかった.麻酔はSCC 10mgの静注で導入し,挿管後はGOFで維持を行った.手術時間は13分であったが術後自発呼吸の発現がなかなか見られず,血清ChEは1mu/ml (正常値: 173~432mu/ml)で,自発呼吸発現までに約3時間を要した.その後の経過は順調であった.本症例の診断は麻酔中の神経刺激により疑診され採血により決定されたが, Nerve Stimulatorは遷延性無呼吸のモニターとして有効であると考えられた.
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