抄録
大腸の未分化癌は稀であり,中でも肉眼的に限局性隆起型を呈する症例の報告は少ない.我々は,腸重積で発症したS状結腸の限局性隆起型未分化癌の1例を経験した.
症例は71歳の男性で,腸閉塞症状にて発症した.大腸ファイバーによる生検組織,および全身の検索から, S状結腸原発の未分化癌と診断し根治術を施行した.
大腸の未分化癌は,組織学的にはカルチノイド,悪性リンパ腫,悪性黒色腫,肺癌の転移などとの鑑別を要するため,全身検索が重要であると共に,補助化学療法に関しては,組織形態にあったものが選択されるべきであると思われた.