日本臨床外科医学会雑誌
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胃結腸瘻をきたした横行結腸癌の1例
岩崎 茂関根 毅内田 健二須田 雍夫上原 敏敬高山 昇二郎
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1992 年 53 巻 4 号 p. 906-910

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抄録
横行結腸癌による胃結腸瘻の1例を経験したので,自験例を含めた本邦報告13例について若干の文献的考察を加え報告する.症例は53歳,男性.腹部腫瘤を主訴として入院した.胃X線造影検査では胃体下部,大彎に潰瘍を形成した陰影欠損を,注腸造影検査では横行結腸腫瘤による陰影欠損とともに胃が造影された.横行結腸癌による胃結腸瘻と診断し左半結腸切除および胃亜全摘による治癒手術を施行した.切除標本では,横行結腸癌による巨大な胃結腸瘻がみられ,肉眼的には, 2型, H0, P0, S3, Si, N(-), Stage III,組織学的には, muc, si, ly1, v2, n(-), stage III,であった.術後12カ月の現在,再発の徴候は認められない.結腸癌による胃結腸瘻は,われわれが文献的に渉猟した範囲では自験例を含め本邦報告例は13例である.組織型では,粘液癌が4例と多くみられた.手術では, 13例中11例は合併切除により治癒切除が施行され,非治癒切除に終ったものは2例にすぎない.
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