抄録
肝内側区域に限局した肝Focal Nodular Hyperplasia(以下FNH)の1切除例を経験した.患者は上腹部不快感を主訴とする22歳男性で,腹部エコー, CT, MRIで内側区域に限局し,肝下面に突出する腫瘤を認めた.肝シンチ上,同部はhot spotを呈し,腹部血管造影の動脈相でspokewheel patternを呈するhypervascularな腫瘤を,静脈相で著明な腫瘍濃染像を認め, FNHと診断し,腹腔内破裂の危険から外科的に切除した.肝FNHは比較的稀な疾患で,本邦報告68例の画像診断上の特徴につき検討したところ,造影CT,肝シンチ,血管造影やMRIでは本症の診断に有効な特徴的所見がみられた.また,これらの所見はFNHの病理形態学的特徴と関連しているものと思われた.