抄録
食道癌術後,高ビリルビン血症が高頻度に発生するが原因については定説はない.今回著者らは腸管代謝よりその原因を検討し,またIntestinal Decontaminationの有効性を検討した.高ビリルビン血症が出現した群ではエンドトキシンの検出率が有意に高く,グルタミン,アラニンは術前コントロール,手術開始6時間後まで有意に低く,両群とも術後6日まで低下してコントロールの15%程度となった.高ビリルビン群でエンドトキシン検出率が高く,グルタミン,アラニンが有意に低値を示した事は高ビリルビン血症に腸管代謝障害とエンドトキシンのトランスロケーションが関与している可能性が示唆された.また黄疸が出現した患者のカナマイシンIntestinal Decontaminationの成績はコントロール群と比較してビリルビンの最高値はカナマイシン使用群で有意に低くIntestinal Decontaminationの有用性が示唆された.