日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
短期間内に多中心性に悪性化再発を来した乳腺葉状腫瘍の1例
渡辺 秀裕山本 英希清水 一雄酒井 欣男北浜 秀男陳 光永北村 裕長浜 充二松井 聡江連 司大場 英巳庄司 佑
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 7 号 p. 1591-1596

詳細
抄録
短期間に悪性化再発を来した稀な乳腺葉状腫瘍を経験したので若干の文献的考察を加え報告した.症例は46歳女性で,右乳房C領域の腫瘤(2×1cm)摘出を受け線維腺腫と診断. 2年8カ月後再発(8×7cm)し,再摘出をうけ良性葉状腫瘍と診断. 1年3カ月後C (4×2cm), AB (4×4cm), D (6×5cm)の3領域に再発し乳腺全切除,乳房再建術を行った.摘出乳腺に悪性所見はなかった. 9カ月後AB (6×5.5cm), DB (8×5cm), E (6×5cm)の3領域に再発し急速増大した.術中組織診で悪性と診断,大胸筋浸潤やリンパ節腫大を認め,定型的乳房切除術を行った.
過去32年間で検索し得た悪性136例中,悪性化再発例は20例(14.7%)であった.悪性では血行性転移が多く死亡率も高いことから,良性といえども再発悪性化を考慮すると周囲組織を含めて切除することが重要で,厳重な経過観察を行うべきである.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top