日本臨床外科医学会雑誌
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小児外傷性十二指腸・空腸損傷の1例
西山 眞一中尾 照逸松並 展輝喜多岡 雅典
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1891-1896

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抄録
症例は6歳の女児で,自転車走行中転倒し,ハンドルにて上腹部を打撲した.来院時出血性ショック症状を来しており,受傷約20時間後に開腹手術を行った.腹腔内出血,十二指腸空腸曲部の穿孔を伴った十二指腸・空腸壁内血腫を認め,十二指腸・空腸部分切除術,十二指腸空腸側々吻合術を行った.経過は良好で術後18日目に退院した.
小児では,本症例のように腹部へのわずかな鈍的外力によっても重篤な内臓損傷を引き起こすことがある.そして十二指腸穿孔(特に後腹膜側への穿孔)は,しばらく無症状あるいは軽い症状で経過する場合があることを念頭に入れる必要がある.十二指腸損傷を疑った場合,十二指腸を充分授動し後腹膜側も精査する必要がある.術式は,患者の全身状態,損傷部位・程度により決定される.
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