日本臨床外科医学会雑誌
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Vater乳頭腺腫の1例
利野 靖城島 標雄安部 雅夫武 浩志今田 敏夫松本 昭彦
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キーワード: 十二指腸乳頭部腺腫
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1902-1906

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抄録
われわれはVater乳頭腺腫の診断で切除術を行った症例を経験したので報告する.
症例は59歳女性で右季肋部痛を主訴に来院,諸検査により胆石症,胆嚢炎と診断. ERCPを施行したところVater乳頭部に腫瘤を認め,生検にて腺腫と診断,総胆管切開,腺腫核出術,乳頭形成術を施行した.
Vater乳頭部の腺腫はまれな疾患とされているが,診断法の進歩にともない時に発見されるようになった. 1991年7月までの本邦における報告は自験例を含め54例である. Vater乳頭部腺腫は臨床的に良性病変ではあるが,腺腫の一部に癌が合併することがあり,また組織学的にも癌との鑑別が困難な場合がある.それゆえ手術式にも議論のあるところである.しかし手術侵襲などを考慮すると,まず腫瘤摘出術を行い詳細な組織学的検索を施行し,悪性所見が得られたならば二期的に膵頭十二指腸切除を施行すべきであると考えている.
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