日本臨床外科医学会雑誌
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検診で発見された甲状腺疾患手術症例の検討
迫 裕孝沖野 功次阿部 元小玉 正智中根 佳宏
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2030-2035

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抄録
1982年9月より当科では,滋賀県下において30歳以上の女性を対象に,乳癌検診と同時に甲状腺癌の集団検診を施行するようになった.そこで, 1983年から1991年3月末までに当科に施行した30歳以上の女性の甲状腺初回手術症例204例(良性120例,悪性84例)を集検例とそれ以外で発見された外来例に分け臨床的に検討した.良性疾患手術例の44.2%が集検例, 55.8%が外来例であった.バセドウ病は集検例に少なかったが,腺腫・腺腫様甲状腺腫は集検例,外来例共に多かった.悪性疾患手術例の67.9%が集検例, 32.1%が外来例であった.集検例は外来例に比べ,腫瘍径の小さいものが多いにもかかわらず,リンパ節転移が多い傾向がみられた.なお,微小癌が集検例の40.4%にみられた.
甲状腺癌の集検は小さい癌の発見に役立つとともに,一般人や医師の甲状腺癌に対する啓蒙に役立つものと思われた.
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