日本臨床外科医学会雑誌
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80歳以上高齢者大腸癌手術例の検討
田中 千凱種村 廣巳大下 裕夫
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2066-2070

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抄録
80歳以上高齢者大腸癌手術例30例について,その特徴,治療成績,術前検査成績,術後合併症などについて検討した.
1)高分化型の進行結腸癌が多く,イレウスと穿孔による緊急手術例が33.3%を占めた. 2)切除率は96.7%,治癒切除率は79.3%で,治癒切除例の5年生存率は54.3%であった. 3)術後合併症の発生率は51.7%と高く,術前検査8項目中の異常項目数が4~5と多い群とイレウス・穿孔群に術後合併症の発生頻度が高かった. 4)術前検査異常は肺と栄養に頻度が高く,これに関連して術後合併症は肺炎と縫合不全が多くみられ,さらに高齢者に特有な脳・精神障害も多く発生した. 5)これらの術後合併症と手術直死を防止できる個々の症例に応じた安全な手術と術後管理が必要と考えられた.
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