抄録
外傷性総胆管閉塞の1例を報告する.症例は38歳男性で交通事故による腹部打撲,肝膵損傷のため入院した.受傷後10日目のCTで膵嚢胞を認めた. 1カ月後に膵嚢胞はCT上ほとんど消失したが, ERCPで総胆管と膵管の狭窄を膵頭部に認めた.生化学検査の異常を認めなかったため一旦退院したが,受傷3カ月後閉塞性黄疸のため再入院しPTBDにより減黄した. PTBDチューブとERCP両方からの造影で7mm長にわたって膵内胆管の完全閉塞を認めた. PTBD瘻孔を拡張し胆道内視鏡下に胆管の開通を試みたが成功しなかったため,総胆管十二指腸吻合を施行した.本例で総胆管閉塞は胆管損傷と膵挫傷,仮性嚢胞の治癒過程での線維化に起因すると考えられた.