抄録
症例は23歳女性,平成2年頃より夜間右下肢屈側にしびれ感・疼痛が出現した.平成4年1月外陰部湿疹あり近医受診,その際内診にて骨盤腔に腫瘍触知.精査加療目的にて当院受診. CT, MRIにて仙骨前面右側に,拡大した仙骨腔より連続するmassを認め神経原性前仙骨部腫瘍の診断にて平成4年4月13日手術施行した.腫瘍はS2より発生, S2根部,末梢にて神経を切断,経仙骨的腫瘍摘出術を行った.病理組織学的には紡錘形の核と好酸性で波状の細胞質を持つ腫瘍細胞が粘液様間質を伴いつつ増殖しており,前仙骨部神経線維腫と診断された.