日本臨床外科医学会雑誌
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MMCを主体とした化学内分泌療法にて著効の得られた乳癌肝転移の2例
嶋田 昌彦浦上 秀次郎川本 清松本 秀年森 光生渡辺 衛
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1996 年 57 巻 10 号 p. 2428-2432

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抄録
同時性および異時性の乳癌肝転移の2例に対し, MMCを主体とした化学内分泌療法を行い,著効が得られた.症例1は41歳の女性で,右乳癌T2aN1bM1 (H3)の診断で, 1993年12月9日非定型的乳房切除術を施行した.入院中に, ADM, CPA, 5-Fuを投与し,退院後はMMC 10mg/M×10, 5'-DFUR 1,200mg/D, TAM 20mg/Dで治療を行っている.術後1年のCT検査にて肝のLDAはほぼ消失し, CA15-3は術前124U/mlが9U/mlまで低下した.症例2は55歳の女性で,左乳癌T1aN0M0にて1987年12月14日定型的乳房切除術を施行した. L-ScLN転移のため1993年6月23日左頸部リンパ節郭清を行い,術後にradiationを行った.その後, CEA, CA15-3の上昇を認め, 1994年5月に肝転移(H2)と診断された. MMC 10mg/M×10, UFT 400mg/D, MPA 600mg/Dの治療を行い, CT上肝のLDAはほぼ消失し, CEA 2.3ng/ml, CA15-38U/mlと下降した. 2例ともにER陽性, PgR陽性であった.
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© 日本臨床外科学会
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