日本臨床外科医学会雑誌
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胃全摘術後横行結腸間置法に頻発した吻合部狭窄
三谷 眞己桑原 義之川村 弘之佐藤 篤司服部 浩次片岡 誠篠田 憲幸
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1997 年 58 巻 2 号 p. 291-294

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抄録

1992年から1995年5月までの間に胃全摘術後に横行結腸間置した症例は13例であり,そのうち10例(79%)に吻合部狭窄を発症した.これは,同時期の他の胃全摘後再建法であるRoux-Y法とdouble tract法の狭窄発生率13/69例(19%)および1987年より1992年にかけて行った空腸間置法の狭窄発生率3/11例(27%)と比べ有意に高率であった(p<0.01).また,問置結腸の長さは食道結腸吻合部狭窄例が21.4±3.5cmであり,非狭窄例の14.8±1.5cmより長い結果となった(p<0.05).現在では間置結腸長を15cmとし,吻合部狭窄発生率は減少している.狭窄例に対してはリジフレックスーバルンダイレイターを用い, 20PSIの圧で約5分間拡張した.その結果,全例2回以内の拡張術で解除されており,その後再狭窄はみられないことから適切な治療法であったと考えている.

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