日本臨床外科学会雑誌
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ドレナージにて救命したdescending necrotizing mediastinitisの2例
川真田 修青山 正博佐藤 四三中島 晃鍋山 晃
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キーワード: 急性縦隔炎, 胸腔鏡
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1998 年 59 巻 1 号 p. 104-107

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抄録

急性縦隔炎は,心・大血管手術後の合併症として認められることが多いが,頭頸部の感染性疾患が波及したdescending necrotizing mediastinitis (以下, DNMと略す)も早期に敗血症に移行し致命率の高い疾患として報告されている.われわれは, DNMの2例を経験しこれを救命した.症例1は, 65歳,男性.歯肉炎より急性縦隔炎となり,頸部ドレナージで治癒した.症例2は, 46歳,男性.急性扁桃腺炎より急性縦隔炎より急性縦隔炎となり,頸部切開ドレナージでは軽快せず,胸腔鏡下に膿瘍切開ドレナージを施行し治癒した.急性縦隔炎の早期診断には, CTが有用であり積極的に利用すべきであると思われた.急性縦隔炎に対するドレナージは,頸部からのみではなく多方向からのドレナージが救命率を上げると思われ,胸腔鏡下切開・排膿・ドレナージが低侵襲であり有効であると思われた.

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