日本臨床外科学会雑誌
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肺硬化性血管腫の1例
谷村 葉子松崎 安孝弥政 晋輔河合 正巳松永 宏之山口 喜正
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1998 年 59 巻 11 号 p. 2779-2782

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抄録

症例は57歳女性. 1997年7月胸部X線写真上右中肺野の円形異常陰影指摘され当院紹介受診.精査後悪性も否定しえず,右肺中下葉切除術施行した.術中迅速組織検査にて腺癌と診断されたため,縦隔リンパ節郭清を追加した.永久標本では,肺硬化性血管腫と診断された.免疫組織学的には立方状細胞は, II型肺胞上皮細胞の指標となるsurfactant apoprotein Aに陽性であった.本腫瘍の本態については未だ議論の余地もあるところだが,最近では肺胞上皮由来の良性腫瘍との説が有力で自験例の免疫組織学的検査結果からもこの説が支持された.

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