日本臨床外科学会雑誌
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乳癌局所再発症例の予後
三瀬 圭一菅 典道児玉 宏
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キーワード: 乳癌, 局所再発, 予後
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1998 年 59 巻 2 号 p. 331-338

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抄録

1979年11月より1996年12月までの女性乳癌初回手術症例2,413例中490例(20.3%)に再発を認めた.初回局所(患側胸壁)再発症例は107例であり,他病死4例を除く103例を対象として予後およびその関連因子に関して検討した.無病期間(disease free interval: DFI)は平均24カ月(中央値18カ月),再発後3生率57.9%, 5生率39.4%,また手術後5生率59.8%, 10生率35.4%であった.DFI (p=0.0002),エストロゲンレセプター(p=0.0004),他臓器転移合併(p=0.0313)の3因子が有意な予後関連因子であった.他臓器転移合併症例では転移発生期間がその予後に有意に (p<0.0005) 影響した.局所再発様式を病理組織像から3型(筋内型,皮下型,皮内型)に分類すると,筋内型の予後は比較的良好であったが,皮内型は予後不良であり全身病と考えられた.局所再発の予後関連3因子に局所再発様式,転移臓器,転移発生期間を加味した再発時における局所再発の病態分類が必要と考える.

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