日本臨床外科学会雑誌
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潜在性乳癌の4例
土井 美幸浅越 辰男花谷 勇治三吉 博長岡 信彦葉梨 圭美小平 進今村 哲夫
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1998 年 59 巻 2 号 p. 374-377

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抄録

腋窩リンパ節転移を主訴とする潜在性乳癌 (Occult carcinoma) を4例経験した.このうち2例は腫脹リンパ節生検・病理像より同側乳癌からの転移と診断し, 1例はリンパ節の穿刺吸引細胞診の病理像より同側乳癌の存在を予測できた.しかし他の1例(37歳,女性)は,腫脹リンパ節の生検を施行したが,病理学的に未分化腺癌の中に扁平上皮様成分の混在を認め,極めて悪性度の高い腺癌由来のリンパ節転移病変と推測された.原発巣の同定が困難であったため,全身検索を施行した.その結果,甲状腺嚢胞・大腸ポリープ・卵巣嚢腫が認められたが, CT上これら臓器から腋窩までの途中経路にリンパ節腫脹がなく,消去法にて同側乳癌の存在を同定せざるをえなかった.画像診断機器の進歩に伴い乳腺内病変の診断能が高まってはいるが限界もあり,積極的なリンパ節生検が本病変の的確な診断には最も大切であると考えられた.

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