日本臨床外科学会雑誌
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肝に圧痕を形成した肋間神経原発神経鞘腫の1例
瀬戸 啓太郎松下 昌弘秋山 高儀斎藤 人志喜多 一郎高島 茂樹
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キーワード: 肝圧痕, 肋間神経, 神経鞘腫
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1998 年 59 巻 2 号 p. 378-382

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抄録

肝に圧痕を形成し,その圧痕に陥入した肋間神経原発神経鞘腫の稀な1例を経験したので報告する.患者は63歳,女性.主訴は右季肋部痛.身体所見では右側胸壁下部に皮膚の軽度膨隆を認めた.腫瘍マーカーを含む血液生化学的検査に異常はなく,腹部超音波, CT scanでは肝右葉S5に陥入する径約5cmの腫瘤陰影を認めた. MRIでは腫瘤はT1強調像で肥厚した被膜を有し, gadoliniumにより内部が造影され, T2強調像で高信号を呈した.血管造影では右第9肋間動脈よりの腫瘍血管を認めた.以上より,腹壁原発腫瘍の診断で手術を施行した.手術所見では腫瘍は右側腹壁より腹腔内に半球状に突出し,圧痕を形成した肝S5に埋没していた.肝との癒着はなく周囲腹膜を含め腫瘍を摘出した.摘出標本では腫瘍は白色で光沢のある弾性軟6.0×4.5×4.0cmの腫瘤で,割面は黄色で,中央部に嚢胞を認めた.病理組織学的には神経鞘腫で, antoni type AとtypeBが混在してみられた.

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