日本臨床外科学会雑誌
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腹部大動脈瘤手術患者における大腿静脈血中並びに橈骨動脈血中の白血球数変動について
山口 敏之横川 雅康鈴木 衛山本 雅巳中島 邦喜三崎 拓郎
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キーワード: 腹部大動脈瘤, 白血球
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1998 年 59 巻 2 号 p. 368-373

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抄録

虚血-再還流を受けた組織には白血球が集積することが知られている.腹部大動脈瘤手術においても腹部大動脈の遮断と解除がなされるため,下肢は虚血-再灌流に晒される.われわれは,腹部大動脈瘤手術後の下肢への白血球の集積の有無を検討するため,腹部大動脈瘤患者8例を対象として術前後に定時的に大腿静脈血中と橈骨動脈血中の白血球数を算定した.好中球数と単球数は腹部大動脈遮断解除後に静脈,動脈の両者において有意に増加し,リンパ球数は逆に有意に減少した.しかし大腿静脈血中,橈骨動脈血中の好中球数,リンパ球数の間に統計学上有意な差は認められなかった.腹部大動脈瘤手術時には,大腿静脈血中と橈骨動脈血中の白血球数に差が生じる程大量の下肢への白血球の集積は生じていないものと考えられた.

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