日本臨床外科学会雑誌
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胸腔鏡下肺生検にて確定診断を得た肺癌の3例
中尾 雅朋吉井 康欣衣笠 誠二小玉 敏宏上野 浩黒田 克彦
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1998 年 59 巻 2 号 p. 383-387

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抄録

肺腫瘍のなかには胸部X線写真・胸部CTなどにて悪性を疑うものの,気管支鏡下肺生検・CTガイド下肺生検にても確定診断が得られないものが存在する.これらの内,末梢型腫瘍病変に対し,診断目的の開胸を極力回避するために胸腔鏡下肺生検は有効であると思われる.今回,胸腔鏡下肺生検にて確定診断を得,開胸下に肺葉切除を施行した肺癌の3例を経験した.症例1に関しては,術前の本人の希望により,症例2は, T2腺癌であったため,症例3は2cm以下の末梢型肺癌であったが,左下葉S6の腺癌のためリンパ節郭清が不充分になることを危惧し,いずれも標準開胸下に肺葉切除および2a群までの完全なる縦隔リンパ節郭清術を施行した.
これら,確定診断を得るための胸腔鏡下肺生検は3症例ともに有効であった.

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