日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
小腸アニサキス症による腸重積症の1例
平野 貞夫阿南 陽二
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 59 巻 2 号 p. 408-411

詳細
抄録

小腸アニサキス症による腸重積を生じた稀な症例を経験したので報告する.
症例は35歳女性. 1994年1月29日サバの刺身を食べたところ, 30日夜より心窩部痛が出現した.近医で胃内視鏡検査を行うも異常は認められなかった.しかし心窩部痛が増強してきたため2月1日当院を受診した.腹部エコーではmultiple concentric ring signを,またCTでも小腸がリング状に嵌入している状態が認められ,腸重積と診断した.さらに小腸造影においても蟹爪状陰影が認められた.開腹したところ, Treitz靱帯より80cmの部位で5cmにわたり腸重積を認めたため小腸部分切除を施行した.肉眼的所見では,切除部位にアニサキスが迷入しており,同部の壁肥厚を認めた.病理組織所見では,アニサキスの迷入・全層にわたる好酸球主体の炎症性細胞浸潤を認めた.小腸にアニサキスが迷入し,その部位を先進部として腸重積を惹起したと考えられた.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top