日本臨床外科学会雑誌
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CA19-9およびCEA産生原発性小腸癌の1例
石田 秀之龍田 眞行川崎 高俊桝谷 誠三宮 章博里見 隆吉岡 寛康星田 義彦
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キーワード: 原発性小腸癌
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1998 年 59 巻 5 号 p. 1312-1316

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抄録

症例は59歳,女性.嘔吐,体重減少を主訴に当院を受診した.入院後保存的治療をするも症状は軽快せず.胃十二指腸透視および注腸造影に異常なく,血清CEA値と血清CA19-9値が高値を示した.小腸2重造影で空腸癌と診断し手術を施行した.
最近10年間に本邦で論文報告された自験例を含む145例の原発性小腸癌を集計したところ, 16.8%の症例で血清CEA値が上昇し, 37.1%の症例で血清CA19-9値が上昇していた.特に血清CA19-9値は22.8%の症例で100U/ml以上の高値を示した. CA19-9は小腸癌の有用な腫瘍マーカーとなり得ることが示唆された.

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