日本臨床外科学会雑誌
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特徴的な発育を示したα-フェトプロテイン産生胆嚢癌の4例
谷合 央長谷川 洋小木曽 清二長澤 圭一籾山 正人永井 英雅
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1998 年 59 巻 5 号 p. 1374-1377

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抄録

αフェトプロテイン(以下AFP)は,肝細胞癌やyolk sac tumorで産生されることが知られているが,肝以外の原発性消化器系癌でAFPを産生するものは少なく,胆嚢癌でもその報告例は稀である.今回われわれは,血中AFPが異常高値を示した胆嚢癌を4例経験した.肉眼所見で,いずれも乳頭状に胆嚢内腔を充満する様に発育した隆起性病変であった.病理組織学的には腫瘍組織の多くが, hepatoid patternを示し,抗AFP染色で陽性像を認め,胃癌取扱い規約のα-fetoprotein産生腺癌に類似したものであった.自験例では,特有の発育形態,組織型を示した.また切除によって良好な予後を得ており,積極的に手術を行うべきであると考えた.

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