日本臨床外科学会雑誌
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食道癌におけるリンパ節転移個数と予後に関する検討
江本 宏史渡辺 明彦澤田 秀智山田 行重辰巳 満俊阪口 晃行藤本 平祐成清 道博平尾 具子中野 博重
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1998 年 59 巻 8 号 p. 1965-1969

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抄録
R2以上のリンパ節郭清を行った食道癌切除126例につき転移リンパ節群と転移個数の予後に及ぼす影響について検討し,他の予後因子も含め多変量解析を行った.生存率は,転移リンパ節群別ではn2, n3間で差を認め,転移リンパ節個数別では, 0個, 1~3個, 4~7個, 8個以上の4群としたところ, 0個, 1~3個群間と1~3個, 4~7個群間で差を認めた.さらに, n1, n2症例間においても1~3個群は4~7個群に比べ有意に差を認め転移リンパ節群が,比較的近位に留まっていても転移個数の多い症例は予後不良であった.年齢,性差,肉眼型,占居部位,深達度,転移リンパ節群,転移リンパ節個数の7因子の多変量解析では,転移リンパ節個数が最も重みのある予後因子であった.
今回の検討より,食道癌において転移リンパ節個数は,予後に影響する重要な予後因子と考えられた.
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