日本臨床外科学会雑誌
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胃・腎同時性重複癌の1例
伊藤 元博大西 明生吉友 睦彦山本 眞史
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キーワード: 胃癌, 腎癌, 同時性重複癌
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1999 年 60 巻 1 号 p. 232-237

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抄録

症例は54歳,男性で,心窩部痛を訴え来院した,胃内視鏡検査および上部消化管造影にて胃癌と診断した.術前の腹部超音波検査,腹部CT検査にて左腎上極に腫瘤を認め, MRIおよび腎動脈造影施行し腎細胞癌と診断した.両癌とも根治手術可能と判断し,一期的に3群リンパ節郭清を伴う胃全摘術,胆嚢摘除術,膵体尾脾合併切除術,根治的腎摘除術を施行した.組織学的には胃癌はpor, INFγ. ss, ly3, v0 ow(-), aw(-), n2Ξ(+), stage IIIaで,腎癌はalveolar type, common type, clear cell subtype, G2, INFα. pT2, pN0. pM0, pV0, stage IIであった.なお, DNAヒストグラムは胃癌はaneuploidy, 腎癌はdiploidyであった,術後経過は良好で,現在外来にて経過観察中である.

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