日本臨床外科学会雑誌
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直腸癌と男子乳癌の異時性重複癌の1例
前田 一也川浦 幸光清水 淳三龍沢 泰彦矢崎 潮
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キーワード: 男子乳癌, 重複癌, 直腸癌
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1999 年 60 巻 1 号 p. 228-231

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抄録

患者は80歳の男性で, 1994年,直腸癌の診断で直腸切断術を受けた.組織学的には高分化型腺癌でa 1, ly1, n0, ow(-), aw(-), のstage IIであった. 1998年1月,左乳房のしこりを自覚するようになり受診した.超音波検査とincisional biopsyにて乳癌と診断し胸筋温存乳房切除術を施行した.組織学的には硬癌でt3, n1 α. m0, のstageIIIであった.術後,再発・転移の兆候なく健在である.男子乳癌は全乳癌の1%程度の頻度で比較的稀である.女子乳癌と比較して一般に予後不良とされてきたが.近年では差はないと報告されている.大腸癌と男子乳癌との合併は本邦で6例目,直腸癌との合併は2例目と極めて稀であったので報告した.

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