日本臨床外科学会雑誌
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原発性小腸軸捻転症の2例
中崎 隆行小松 英明光武 範吏谷口 英樹中尾 丞栄田 和行
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キーワード: 原発性小腸軸捻転
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1999 年 60 巻 11 号 p. 2916-2918

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抄録
原発性小腸軸捻転症の2例を経験したので報告する.症例1は11歳男性で腹痛,嘔吐を主訴として来院した.腹膜刺激症状出現し,急性腹症の診断にて手術を行った.回腸末端の小腸の捻転がみられ壊死腸管を約1m切除した.症例2は14歳女性で腹痛を主訴として来院した,下腹部の圧痛と腹膜刺激症状を認め,腹部CT検査にてwhirl-likepatternがみられ,小腸軸捻転症疑いにて緊急手術を行った.回腸末端部に小腸軸捻転があり,壊死腸管を約1.6m切除した.腸回転異常を合併しない原発性小腸軸捻転症は稀とされ,術前の正診率も低く死亡率も高いとされている.開腹歴のない腸閉塞では本症も念頭にいれ,より早期の診断,手術が必要である.
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