日本臨床外科学会雑誌
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胆石症の精査中に発見された膵の悪性solid cystic tumorの1例
内藤 明広川原 勝彦岩田 宏田那村 收
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キーワード: 膵腫瘍, 胆石症
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1999 年 60 巻 6 号 p. 1643-1646

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抄録

症例は49歳,女性で糖尿病のため食事療法中である. 18年前胆石症による急性膵炎の治療歴があり,外来で施行した腹部ultrasonography (以下US)で膵頭部腫瘍を指摘された. 1997年11月20日に手術施行,術中迅速凍結病理組織診断で悪性carcinoid腫瘍を疑われ,膵頭十二指腸切除術および胆嚢摘出術を施行した.通常の組織学的および免疫学的検索により,膵の悪性solid cystic tumorと診断された.術後経過は良好であった.膵のsolid cystic tumorは若年女性の好発し,多くは予後良好であるが,時に悪性で局所再発や遠隔転移を来す.自験例について文献的考察を加え報告する.

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