日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
小腸間膜より発生した平滑筋腫の1例
阪本 研一野尻 真
著者情報
キーワード: 腸間膜平滑筋腫
ジャーナル フリー

1999 年 60 巻 6 号 p. 1658-1662

詳細
抄録

腸間膜に原発する平滑筋腫はきわめてまれで,本邦では自験例を含めて11例しか報告されていない.症例は71歳の男性で腹部膨満感と便秘を主訴として来院した.右下腹部に小児頭大の弾性軟,表面平滑で可動性良好な腫瘤を触知した.術前の画像診断では腫瘤は腸間膜内に位置し境界は明瞭で内部がやや不均一であった.腸間膜腫瘍と診断し手術を施行した.腫瘍は回盲弁より1m80cmから3mの小腸間膜内に存在し一部で小腸を壁外性に圧排していたが小腸への浸潤および腸間膜リンパ節に転移所見を認めず,腫瘍を小腸とともに切除した.腫瘍は組織学的に平滑筋腫と診断された.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top