日本臨床外科学会雑誌
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後腹膜原発平滑筋肉腫の2例
西川 正博大杉 治司東野 正幸徳原 太豪高田 信康西村 良彦加藤 裕奥田 栄樹木下 博明山田 正
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1999 年 60 巻 6 号 p. 1668-1673

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抄録

後腹膜原発平滑筋肉腫の2切除例を報告する.症例1は56歳・男性,右下腹部の後壁に固定された7.9×7.3×4.1cmの硬い腫瘤を認めた.腫瘤は後腹膜腔にあり消化器,泌尿器系との関係はなく,完全切除が可能であった.
症例2は55歳・男性,右下腹部に右外腸骨動静脈を圧排する形で12.5×11.7×8.3cmの硬い腫瘤を認めた.腫瘤は後腹膜腔にあり右外腸骨静脈を合併切除し肉眼的完全摘出を行い血行再建を付加した. 2例とも病理組学的に平滑筋肉腫と診断され,術後4年4カ月, 11カ月の現在無再発生存中である.
後腹膜原発平滑筋肉腫は稀な疾患で発見時に血行性転移を見ることが多く予後が不良である.しかし転移のない例では切除後の局所再発が多く,予後向上には完全切除が肝要である.

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