日本臨床外科学会雑誌
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先天性十二指腸閉鎖症術後の吻合部潰瘍
蒔田 圭子西川 眞樟本 賢首沢田 康夫佐々木 文章
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1999 年 60 巻 9 号 p. 2378-2381

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抄録

生後3日目に先天性十二指腸閉鎖症の診断で,十二指腸空腸吻合術を受け, 21年後に難治性の吻合部潰瘍および狭窄にて2/3胃切除と胃空腸吻合を行った1例を経験した,症例は術後の血液検査でHelicobacter Pylori (以下H. Pyloriと略)に感染していたことが判明した.症例の胃幽門部および吻合部の深い潰瘍は,胃空腸吻合という術式がその一因と考えられたが, H. Pyloriの影響があったことも十分に考えられた.今後同様の症例に対してはH. Pylori感染症の検索および治療もあわせて行う必要があると考えられた.

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