日本臨床外科学会雑誌
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胃切除後30年目に発症した空腸残胃重積症の1例
立本 昭彦香川 茂雄國土 泰孝村岡 篤津村 眞鶴野 正基
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2000 年 61 巻 12 号 p. 3232-3235

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抄録
症例は77歳,男性,突然の上腹部痛と吐血により当院緊急外来を受診した.既往歴として30年前,胃潰瘍のため他院で胃切除術(Billroth II法)を受けていた.緊急内視鏡検査では,残胃内に暗赤紫色,蛇腹様の柔軟な腫瘤を認め,腹部CTでは残胃内の小腸重積像を認めた.以上より空腸残胃重積症と診断し緊急手術を施行した.輸入脚空腸が順行性に残胃内に重積していたため,重積腸管を徒手的に整復し,再発予防のため過長な輸入脚を固定,さらに, Braun吻合を付加した.術後,再発傾向もなく経過良好である.
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