日本臨床外科学会雑誌
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Ogilvie症候群の2例-内視鏡治療の成功例と非成功例-
館花 明彦福田 直人永山 淳造吉良 邦彦酒井 滋山川 達郎
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キーワード: Ogilvie症候群
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2000 年 61 巻 4 号 p. 1000-1004

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抄録

Ogilvie症候群は,器質的狭窄のない結腸の急性仮性閉塞である.
(症例1) 57歳,男性.高血圧,癲癇に対し内服治療中. 1997年10月に腹痛と腹満感を主訴に当院受診し,腸閉塞の診断にて入院.結腸の穿孔が危惧され,内視鏡的治療が困難なためS状結腸に人工肛門を造設し軽快した.術前検査および術中所見にて大腸には器質的狭窄を認めず, Ogilvie症候群と診断した.
(症例2) 75歳,男性.既往歴はない. 1998年7月,腹満感を主訴に当院受診,腸閉塞の診断にて入院.各種検査にて大腸の器質的狭窄を認めず, Ogilvie症候群と診断した.大腸内視鏡的減圧術が効を奏し軽快・退院した.
Ogilvie症候群の治療に際し,穿孔の危険性がある場合は姑息的手術が施行されることもあるが,大腸内視鏡的減圧術が有効な症例が報告されている.今回初期治療に際し,内視鏡的減圧術を行うも手術治療に至った1例と,有効であった1例を経験した.

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