日本臨床外科学会雑誌
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PTCD経路に播種性転移をきたした胆管内分泌細胞癌の1例
西江 浩水澤 清昭小川 東明渡部 博昭坂谷 貴司
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2000 年 61 巻 4 号 p. 1044-1047

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抄録

胆道系内分泌腫瘍は稀な疾患であるが,なかでも胆管原発の内分泌細胞癌は極めて稀である.症例は67歳男性で,閉塞性黄疸にて入院.経皮経肝胆道ドレナージ(以下, PTCD)施行後,下部胆管癌の診断にて幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行.組織学的検索にて胆管原発の内分泌細胞癌と診断された.術後1年9ヵ月後に, PTCD経路の肝および皮下に播種性転移をきたし再手術を施行した.通常内分泌細胞癌は予後不良な疾患であるが,再手術から2年2ヵ月経過した現在再発の兆候なく,良好な経過をたどっている.また, PTCD後の播種性転移は稀ではあるが,原疾患が予後の期待できる場合には瘻孔部の再発予防処置および播種性転移による再発に留意した経過観察が必要である.

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