日本臨床外科学会雑誌
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胃軸捻転を伴った成人食道裂孔ヘルニアの1例
梅澤 久輝一和多 雅雄五島 雅和梅澤 英正梅澤 理依
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2000 年 61 巻 4 号 p. 921-925

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抄録

臓器軸性胃軸捻転に伴う全胃,広範囲横行結腸非還納性食道裂孔ヘルニアに対して手術を施行し,良好な経過をたどった1例を経験したので報告する.症例は, 70歳の女性で,主訴は食後の前胸部痛,胸部圧迫感および呼吸困難である.上記を主訴に梅澤医院受診し,胸部単純X線像で後縦隔に鏡面像を形成するガス像を認めた.上部消化管造影検査,上部消化管内視鏡検査を施行し,臓器軸性胃軸捻転を伴った非還納性食道裂孔ヘルニアと診断され,当院に紹介入院となった.その後CT,注腸造影検査を施行.臓器軸性胃軸捻転を伴った全胃,広範囲横行結腸非還納性食道裂孔ヘルニアと診断した.手術は,開腹による食道裂孔右脚縫縮術, Nissen fundoplication, 幽門形成術を施行した.術後経過良好であり食後の症状も消失し,第18病日軽快退院した.

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