日本臨床外科学会雑誌
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胃癌術後の残胃に発生した巨大平滑筋肉腫の1例
森 直樹堀見 忠司岡林 孝弘森田 荘二郎寺田 紘一
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2000 年 61 巻 4 号 p. 949-953

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抄録

今回われわれの経験した残胃の平滑筋肉腫の報告は本邦では,わずか32例の報告を数えるに過ぎない.症例は62歳の女性で,主訴は食欲不振であった. 51歳時(11年前)に早期胃癌(L, O-IIc, m, n0, P0, H0, M0, stage I A, tub1, ly0, v0)にて幽門側胃切除(D2郭清Billroth I法)施行.平成10年7月頃(62歳)より食欲不振,左背部のすくみ感を自覚し,諸検査の結果,残胃に発生し,肝外側区域,膵体尾部に浸潤した平滑筋肉腫と診断された.同年10月23日,残胃全摘(D2郭清),胆嚢摘出,膵体尾部切除,脾摘,肝外側区域切除,肝S5の腫瘍核出術を行い, ρ-Roux-Yにて再建を行った.摘出標本の大きさは20×15×12cm,重量は1730gと巨大なものであった.術後10ヵ月現在,患者は肝転移治療を行っているが健在である.

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