日本臨床外科学会雑誌
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粘液分泌が多量にみられたCA19-9産生胃粘液癌の1例
星野 光典石井 博大山 祥太田 篤村井 紀元新谷 隆横川 京児草野 満夫鈴木 博新井 一成
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キーワード: CA19-9産生胃癌, 胃癌, 粘液癌
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2000 年 61 巻 4 号 p. 958-962

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抄録

CA19-9産生胃粘液癌の1例を経験したので報告する.症例は46歳,男性.検診でCA19-9高値を指摘され,精査により,胃幽門前庭部の1型進行胃癌と診断された. 1996年7月12日幽門側胃切除,リンパ節郭清術を施行し,病理所見では癌部の本体は粘液結節からなり,免疫組織学的にも抗CA19-9抗体に染色されCA19-9産生胃癌と診断された.血清CA19-9は胃切除と共に急速に低下し, 3年経過した現在に至るまで正常値であるが, CA19-9高値群は予後不良であるため今後も厳重な経過観察が必要であるものと考えられた.
CA19-9産生胃癌の本邦報告例は, 9例しかなくまたCA19-9産生胃粘液癌は自験例も含め2例とまれな症例と考えられたため報告した.

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