日本臨床外科学会雑誌
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出血を契機に発見された小腸gastrointestinal stromal tumorの2例
和田 有子金子 源吾疋田 仁志堀米 直人神頭 定彦千賀 脩宮川 信原田 大
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キーワード: 小腸粘膜下腫瘍
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2000 年 61 巻 4 号 p. 981-985

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抄録

小腸gastro-intestinal stromal tumor(以下GIST)の2例を経験したので報告する.症例1は64歳,女性で下血を主訴に来院.腹部超音波で下腹部正中に腫瘤を主訴に来院.腹部超音波で下腹部正中に腫瘤を認め精査の結果,空腸腫瘍と診断.空腸部分切除を施行した.摘出標本60×50×35mm大の灰白色調,広範な出血巣を伴う充実性の粘膜下腫瘍であった.症例2は72歳,女性.吐血および下血を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に易出血性の粘膜下腫瘍を認めた.十二指腸良性腫瘍と診断し十二指腸部分切除術を施行した.摘出標本は35×35×25mm大の黄白色~褐色調の粘膜下腫瘍であった. 2症例とも病理組織学的には異型に乏しい紡錘形細胞の束状増生を主体としており,各種免疫染色によりGIST, neural typeと診断された.出血を契機に小腸粘膜下腫瘍が発見されることは少なくないがその際GISTの可能性を念頭におき,精査をすすめる必要があると考えられた.

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