2000 年 61 巻 5 号 p. 1146-1150
左側大腸癌の腸閉塞において,緊急手術で一期的に腫瘍の切除と腸管吻合を行うかについては意見が分かれるところである.今回われわれは大腸癌腸閉塞9例に,大腸内視鏡を用いて閉塞部の近位側に減圧管を留置し術前管理を行った.全例緊急手術を回避し得,術前の腸管内清浄化や腫瘍近位側の造影検査も可能であった.全例一期的な手術が行われ,術後合併症も認められなかった.左側大腸癌の腸閉塞において経肛門的減圧管による術前管理法は緊急手術を回避し安全に一期的手術を行い得る有用な方法と考えられた.