日本臨床外科学会雑誌
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胃切除術後に留置された胃管による残胃穿孔の1例
石川 泰京極 高久高峰 義和林 雅造
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キーワード: 残胃穿孔, 胃管
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2000 年 61 巻 8 号 p. 2008-2011

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抄録

幽門側胃切除術後に留置された胃管による残胃穿孔症例を報告した.症例は68歳,男性.胃体部癌に対して幽門側胃切除, D2郭清を行い,ビルロートI法で再建し残胃内に経鼻胃管を留置した.
術後2日目,一過性の強い腹痛が出現し不穏行動がみられたが3日目には軽快し,胃管も抜去した.しかし,腹部所見は乏しいものの,術後5日目まで39度台の発熱が続き,白血球数増多, CRP値の上昇がみられた.
術後6日目, free airと上腹部膿瘍像を画像検査にて認め,胃透視にて残胃の大弯側より造影剤の胃外への流出を認めた.
胃穿孔と診断し再開腹したところ,胃体部大弯線上に,初回手術時の胃管の先端位置と一致して穿孔を認めた.穿孔部は縫合閉鎖した.

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