日本臨床外科学会雑誌
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早期胃神経内分泌細胞癌の1例
和久 利彦岡田 博文高木 英幸元井 信
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2939-2942

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抄録

症例は52歳の男性.心窩部不快感ありて当院外来受診.上部消化管内視鏡検査で,胃前庭部小彎後壁よりに2型胃癌を認め, 2群リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した.病理組織所見では粘膜下層にまで,小さく均一でN/C比の大きな未分化な細胞が増殖し, Grimelius染色陽性,免疫組織化学的にはChromogranin A陽性, NSE陽性で早期胃神経内分泌細胞癌と診断した.胃神経内分泌細胞癌は比較的稀であり,その予後は極めて悪い.早期の症例は自験例を含め29例と稀であるが,リンパ節転移を認めない症例は予後良好であった.リンパ節転移が生じる前に発見され手術がなされるのが現時点では有効な治療法と考えられた.

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