日本臨床外科学会雑誌
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アレルギー性紫斑病に合併した腸重積症の1例
石橋 敬一郎松本 潤南 智仁由里 樹生増子 宣雄高見 実
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2962-2965

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抄録

腸重積症で腸切除を要したアレルギー性紫斑病の1例を経験したので報告する.症例は5歳,女児.上気道症状より発症.大腿後部の紫斑出現後,腹痛,嘔吐,下痢を認め,アレルギー性紫斑病と診断された.当院小児科入院後,ステロイド治療するも腹部全体に圧痛,筋性防御が明らかになり,超音波検査上target signを認めた為,腸重積症の診断で外科転科し手術となった.回盲部から約20cm口側で回腸-回腸型腸重積および腸管懐死を認め,小腸部分切除施行した.術後経過は良好であったが,腎機能障害が出現,次第に増悪,第22病日一日尿蛋白量6.14mg,眼瞼下浮腫も認められた為,腎炎と診断し小児科転科となった.アレルギー性紫斑病は全身小血管の広範な急性炎症性変化であると考えられており,充分な全身検索および治療が必要であると考える.

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