日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
若年性大腸ポリープによる結腸結腸型腸重積症の1例
金 容輝山本 正之福田 和弘国府 育央矢野 外喜治山田 克巳
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 62 巻 12 号 p. 2971-2976

詳細
抄録

小児腸重積症は,しばしばみられる疾患であるが,その多くは回腸結腸型であり器質的原因を有するものは稀とされていた.今回,われわれが経験した結腸結腸型は極めて稀であり,その原因が若年性大腸ポリープによる症例は本邦でも少ない.また,内視鏡的ポリープ切除により治癒しえたので報告する.
症例は6歳,男児.腹痛,鮮血便のため入院となった.腹部所見で膀左側に腫瘤を触知しCT検査にて腸重積と診断され,高圧浣腸で整復するが,再度重積を生じたため,当科紹介となった.注腸造影では下行結腸S状結腸移行部にカニの爪状陰影を認め,先進部に径2.5cm大のポリープ様陰影があったため,大腸内視鏡検査を施行した.下行結腸脾曲側に山田IV型の径2.5cm大ポリープがありポリペクトミーを施行した.その後,症状なく, 4日目に退院した.病理組織所見は若年性ポリープであった.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top