日本臨床外科学会雑誌
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大腿の皮下膿瘍を形成した閉鎖孔ヘルニアの2例
広瀬 敏幸日野 弘之梶川 愛一郎三木 啓司六田 暉朗
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2001 年 62 巻 12 号 p. 3059-3063

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抄録

大腿部に皮下膿瘍を形成した閉鎖孔ヘルニアの2症例を経験したので報告する.
症例1は85歳,女性.右大腿部の発赤,腫脹および痙痛,皮下気腫を認め,大腿骨頸部骨折の診断にて当院紹介となった.レントゲン写真にて骨折の所見はなかった.経過中イレウス症状を認め,他院にて保存的治療にて軽快していた.また,右大腿部の痔痛を認めていたことより,閉鎖孔ヘルニアの小腸嵌頓,穿孔による大腿部皮下膿瘍との診断にて,同日,緊急手術を行った.開腹所見では,回腸の閉鎖孔への嵌頓を認め,小腸部分切除を行った.また,大腿部は切開排膿ドレナージを行った.症例2は83歳,女性.イレウス症状を認め,他院にて保存的に治療を行っていたが,軽快しないため当院紹介.右ソケイ部より大腿にかけて腫脹および痺痛を認め,閉鎖孔ヘルニアと診断し緊急手術を行った.開腹所見では,回腸の閉鎖孔への嵌頓を認め,小腸部分切除を行った.大腿部は切開排膿ドレナージを行った.

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