日本臨床外科学会雑誌
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下血を主訴として発見されたMeckel憩室腫瘍の1例
坂田 直昭鈴木 正徳海野 倫明遠藤 公人松野 正紀大谷 明夫
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2001 年 62 巻 2 号 p. 415-420

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抄録
今回,われわれは下血を主訴としたMeckel憩室腫瘍の1例を経験した.症例は69歳男性.下部消化管内視鏡検査を施行するも出血源は同定されなかった.骨盤部CT検査にて膀胱直腸窩に径約7cm大の腫瘍が認められたため,膀胱後腫瘍の小腸穿破による消化管出血と診断したが,再度下血が出現したため,緊急開腹術が施行された.回盲部より100cmの部位に回腸漿膜より壁外に発生する径8×7×7cmの腫瘍が認められたため,これを含めた回腸部分切除術が施行された.切除標本では回腸粘膜面に憩室による開口部が認められ,腫瘍はこの憩室に連続して存在する充実性の腫瘍であった.病理組織学的には,平滑筋層より発生した間葉系腫瘍であった.本症例においては, Meckel憩室腫瘍が根治可能で,かつ消化管出血に対しても完全止血できたという意味で回腸部分切除術が有効であった.
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