日本臨床外科学会雑誌
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リンパ節転移を伴った後腹膜原発平滑筋肉腫の1例
永井 盛太村林 紘二赤坂 義和楠田 司宮原 成樹高橋 幸二
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2002 年 63 巻 12 号 p. 3067-3071

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抄録

リンパ節転移を伴った後腹膜原発平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する.症例は48歳,女性.近医にて腹部腫瘤を指摘され当科紹介となった.右下腹部に小児頭大の弾性硬の腫瘤を触知し, US, CTでは右下腹部に径10cmの造影効果のある内部不均一な腫瘍を認め,血管造影では回結腸動脈からの腫瘍濃染像を伴っており,後腹膜腫瘍の診断にて手術を施行した.術中所見では,腫瘍は上行結腸および横行結腸を後方から圧排し,腫瘍周囲のリンパ節腫大を伴っていたため, 3群リンパ節および大動脈周囲リンパ節郭清を伴う右腎合併結腸右半切除術,ならびに腫瘍摘出術を施行した.摘出標本では径12×10×9cmの被膜を有する白色結節状の腫瘤で,リンパ節転移を伴った後腹膜原発平滑筋肉腫と診断した.

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