抄録
大動脈弓分枝多枝病変に対して血管内治療を併用し良好な結果を得た1例を経験したので報告する.患者は63歳,男性で,主訴はめまい.上肢の血圧の左右差は34mmHgであった.精査の結果,右内頸動脈50%狭窄,左総頸動脈起始部90%狭窄,左外頸動脈閉塞,左鎖骨下動脈50~75%狭窄であった.治療は2期的として,まず左鎖骨下動脈狭窄部にstentを留置し,次に左鎖骨下動脈-総頸動脈バイパス術を大伏在静脈を用いて施行した.経過は良好で,術後16日目に退院した.大動脈弓分枝多枝病変に対してstentを併用することで低侵襲手術となり,患者のQOLは向上し,有用な治療法と考えられた.