抄録
症例1は32歳,男性.急性虫垂炎術後54日目に腸瘻と診断され保存的治療を行い軽快と悪化を繰り返し,瘻孔造影で回腸および直腸への交通が認められたため初回手術から約1年半後に直腸および回腸部分切除施行.術後に病理組織学的所見よりCrohn病と診断された.症例2は26歳,女性.急性虫垂炎術後47日目に腸瘻と診断され保存的治療を行うも改善なく,初回手術から約3カ月後に回盲部切除施行.術後にCrohn病と診断された.いずれも術後経過良好で現在も腸瘻再発の徴候は認めない. 2例とも初回手術の切除虫垂の組織学的所見は虫垂炎に矛盾しなかったが,症例2の再検にてCrohn病を示唆する所見が得られた.
急性虫垂炎術後の腸瘻は極めて頻度が少なく,若年例で難治性である場合はCrohn病も念頭において診断・治療を行うべきである.