抄録
Bruton型無γグロブリン血症に合併した若年性直腸癌の1例を経験したので報告する.症例は25歳男性,幼少時より呼吸器感染症を繰り返し, Bruton型無γグロブリン血症の診断で当院内科にて定期的なγグロブリン製剤補充療法を施行中,貧血を契機に直腸(RaRb)に全周性の2型の病変を指摘された.入院時,慢性気管支炎を併発していた.抗生剤, γグロプリン製剤の追加投与にて,呼吸器感染症をコントロールし,炎症所見の改善を確認した後,麻酔および術中の無菌操作を徹底し,直腸低位前方切除術を施行した.術後は肺理学療法,抗生剤, γグロブリン製剤の投与を行うことで,術後合併症を起こすことなく軽快退院した.無γグロブリン血症患者の周術期管理として,既存の感染症のコントロール,無菌操作の徹底, γグロブリン製剤の追加投与が重要と考えられた.